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ピラニアは眠れない

公開
作者 サンチャゴ
ページ数 32
表示数 425
作成日 2016-02-16 15:37:37
更新日 2016-11-04 23:56:33

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  • ピラニアは眠れない(p1)
  • たぶん、理由を知りたかったんだと思う。(p2)
  • 1 冴える朱色の夕日と、それを吸収している雲の鮮やかさも何時にもましてイラついてる祐弥(ゆうや)の目には鮮やかすぎて、げっそりとさせる要因でしかなかった。 こんな時の自分がたまらなく嫌になる。気分が悪いというのではなくて『気分がイヤになる』のだ。自己嫌悪とは違った灰色の気分に足取りも重くなる。 仕事はうまくいっている。恐らくは就職した中では祐弥は楽しい仕事をしているという部類だと思っている。一時間弱の電車通勤も、あの背広姿でぎゅうぎゅう詰めの通勤ラッシュの中でも、祐弥には仕事をしている社会人という自分をあらわに意識させていて苦ではなかった。 そんな電車も今は限り無いほどの苦痛でしかなく、息苦しさで胸が詰まる感覚がより一層きつくならない事を連結通路のドアに、背中を預けながら思っていた。 深い呼吸ができない。呼吸する胸の上下が小刻みに速い。向かい合わせ式のシートに座って下をうつむいているOLのシャンプーの香りか、化粧の香りが通路に立っている祐弥の鼻孔めがけてモロに匂いを発している。(p3)
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